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2010年6月 4日 (金)

ゴッホ

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怒涛のような生涯を送ったこの画家が残した絵画には、圧倒的な迫力が宿っています。

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精神の激しさが、作品にほとばしっています。

狂気とみまがうほどです。

生前に脚光を浴びることがなかったこの画家が注目されるようになったのは、預言者的なその生き方と関わりがあるような気がします。

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初期の作品は、おしなべて暗い画面が特徴的です。

しかし、厳しい現実生活のリアリティと、それを照らす光が暗示されています。

壁にかかる小さなキリストの絵は、市井の暮らしを見守っているかのようです。

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彼が求めたのは、「真実の光」だったのではないでしょうか。

その表現を、生涯を通して模索し続けました。

1

しかし、あまりに真摯でありすぎました。

妥協という言葉を知らなかった。

常識が最大の障壁でした。

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苦悩と苦闘の末に到達したのは、明るい色彩の世界。

とりわけ愛した黄色は、ゴッホにとっての神です。

花瓶のサインは、その器でありたいという祈りにほかなりません。

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夜空に向って伸びる糸杉と散策する二人。

右端に教会のような建物がありますが、良く見ると明かりが灯っていないのです。

しかし、夜空に輝く月と星が二人の行く手を明るく照らしています。Photo_4

アルル時代の代表作のひとつ『夜のカフェテラス』は、とても好きな作品です。

一日の勤めを終えて、人々が憩いのひとときを過ごしています。

人々の暮らしをいとおしむ描き手の温かい眼差しが伝わってくるようです。

星は、そっと見守り続けています。

だからこそ、心が安らぐのではないでしょうか。

Photo

遺作となった『烏のいる麦畑』を、迂闊なことに最近まで知りませんでした。

ゴッホの牧師時代の説教で語られた風景画を彷彿とさせる絵です。

説教では、遠景に丘が重なり、一本道がつながる山の上には「金色に輝く街」が美しく描写されているのですが、この絵にはそれが欠落しているのです。

烏が飛び交う不気味さが全体を支配しています。

希望の光が見えないのです。

評論家の小林秀雄はこの絵をゴッホの遺書だと説明しました。

確かに、生と死がせめぎあっています。

気がつかないだけで、わたしたちの現実は、この絵のようなのかもしれません。

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